縮緬(ちりめん)とは
大阪の堺の織工が中国の明から技術を学び、江戸時代に花開いた絹織物です。
縮緬の主な生産地は京都府の丹後地方と滋賀県の長浜地方です。
生産量の割合は丹後縮緬が約8割、浜縮緬が2割程度となります。
【浜縮緬の製作工程について】
約20個の蚕から糸を引き出し、それを撚り(より=ねじる)合わせ1本の糸を作ります。
経(たて)糸にはゆるい撚りをかけた生糸を使い、緯(よこ)糸は1メートルに3,000回転もの強い撚りをかけた八丁撚糸を使用します。
織りあがってからの精錬という作業(糸に付着しているセリシンというたんぱく質を洗い落とす)により、強い撚りをかけた緯糸が元に戻ろうとして縮んでシボ(凸凹)ができます。そのシボが縮緬の特徴で、さらっとした風合いと染めた時に色の深みを出す効果があります。
世界遺産となった富岡製糸場の後を引き継いだ日本唯一の組合製糸場。
ここで糸作りが始まります。
煮沸して繭をほぐし、糸口を見つけます。
20個くらいの繭から糸を引き巻き取ります。
これが原糸という物でこの状態から滋賀県長浜に送られます。
糸繰り・・ソーキング(原糸を下漬け)した糸を枠やボビンに巻く
八丁撚糸・・伊吹山の雪解け水が流れ込んだ琵琶湖の深層水に浸しながら強い撚りをかける
製織・・経糸と緯糸を織機で織り上げます。
織りあがったものを生機といいます(とても硬い状態)
精錬・・琵琶湖の深層水を使用してセリシンを取り除きます。
反物の巾、長さを調整します。
製品検査・・織りむらがあると染色に響くので厳密に検査をします
検査に合格した反物に量目、等級、長さ、組合印、日本の絹マークを押印します。
見事な白生地の完成です。